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広島と沖縄 死者との対話 A・ビナード×三上智恵㊦ [社会時評]

広島と沖縄 死者との対話

A・ビナード×三上智恵㊦

 

沖縄の人たちを二度殺すのか

 

 三)戦争で沖縄は防波堤にされた。捨て石で時間稼ぎだったが、本当は防波堤にすらならなかった。沖縄戦は無駄死にだった。20万人が地獄のような2カ月間を体験する中で日本国の指導者たちが少しでもいい和解を引き出すことができたかかといえば、何もできなかった。それどころか、沖縄の島々にたくさんの日本軍を配置して沖縄の若者も使ってたくさんの滑走路を造ったが、その滑走路は米軍によって使われた。長崎に原爆を落とされた帰りに沖縄の基地が使えていなかったら長崎の原爆はなかったという人もいるくらいだ。

 ビ)燃料がなくなるから。

 三)だからすごいバッドアイデアだった。沖縄を防波堤にして日本が助かるというのは。その検証をちゃんとしないで、なんとなく中国が怖いから先島に自衛隊とかがいたほうがいい、という。でも、それは戦争で死んだ人たちを二度殺すことだ。なんで日本人が20万人も沖縄でむごたらしい死に方をしたか。この作戦は大失敗だった。沖縄守備の第32軍は見捨てられた軍隊で、住民もろとも死ぬしかなかった。でもあの作戦で誰も助からなかったとみんな知っていて、同じ過ちを死んでも繰り返さないということのために彼らの命と経験が使われたら、それは本当の意味で犬死にしないことだと思う。20年間、沖縄の放送局にいて、6月が来るたびに何か戦争の企画をといって、戦争は悲惨だったという企画を安易に出してきた。でも戦争がどんなに悲惨だったかは分かっている。なんで止められなかったかをやらないと。1945年がどんなに大変だったかをいくらやっても、今は平和でよかったみたいなつまらない感想しか出てこない。1944年に沖縄の人たちは何をしていたんですかということを問わないと。44年の夏に日本軍がたくさん入ってきた。「連戦連勝」の日本軍が。大嘘だけど。これでこの島は安心だ、守ってもらえると思ったら数カ月後には戦場のど真ん中になった。「ざわわ」って曲は、私はあまり好きではないが、ある日海の向こうからいくさがやってきたって、そんなことを歌っているから、次の戦争を止める力がなえてしまう。戦争が向こうから来て、戦争してもいいですかといったらその時は「ノー」といおうと、そんなことで戦争は止められない。今これだけ日本軍とアメリカ軍に自分たちの島を明け渡していながら、今度の戦争は嫌ですとどうやっていえるのか。私は、沖縄戦で亡くなった人たちを二度殺すことだけは許さないと思っている。だけど沖縄戦で亡くなった人だけじゃなくて、いま「標的の島」という小西誠さんの書いた本があるが、それは11月末に米海兵広報部がツイッターに出した写真が表紙になっている。アメリカ軍と自衛隊が図上訓練をしている。下に大きな島があって米軍の司令官が立って指示している。そういう訓練が行われたと、アメリカ軍は何とも思わず出した。でもそれは私たちが住んでいる島だ。形を見れば分かる。宮古島、伊良部島、石垣島、西表島。ここで戦争を想定して訓練をしている、そういう写真なのに、なぜか全国のメディアは全然やってくれない。

 ビ)日本の敗戦はミッドウェーで決まったから、あとは核開発を進めながら日本を後でどう利用するかが進められて、1944年のタイミングで日本軍が基地を整備するということは、米軍のための下請けの建設だった。結果的にいま岸信介の孫が首相になって、大日本帝国の組織の一部の人間が米帝国に再就職している。だから、先島は本土防衛と同じ発想。先島に住んでいる人たちにとって先島は「先島」ではなく世界の中心。でもペテンタゴンのお偉方には先っぽの島。今は本土防衛なんて言わずにエアシーバトルというが基本的には変わっていない。そういうデジャビュ(既視感)のような悪夢の再利用のようなものがいま僕らの生活を奪おうとしている。僕らは声を上げることができる。権力と張り合って言葉と思いをぶつけることができるのに、これを使わなかったら死者に対して申し訳ない。

 三)この日本国憲法を政府が変えたいというのは本当におかしな話。権力者は暴走する、暴走を止めるために日本国憲法がある。

 ビ)800年前にマグナカルタが作られた時から、憲法はそういうもの。

 三)それを暴走したい人たちが変えるっていうのは、猛獣の檻の鍵を外すのと同じ。でもそのことについて、どうして日本人は一部変えてもいいんじゃない?って言っちゃうのか。

 ビ)一部変えるなら「思いやり予算は払ってはならない」というのを書き加えたほうがいい。

(完、文責asa)


IMG_2197のコピー.jpg


標的の島.jpg


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