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100年前と変わらぬヨーロッパ~映画「サラエヴォの銃声」 [映画時評]

100年前と変わらぬヨーロッパ~映画「サラエヴォの銃声」

 

 1914年、サラエヴォで響いた一発の銃声が、ヨーロッパを奈落の底に叩き落した。事件から100年、「ホテル・ヨーロッパ」では記念式典が開かれようとしている。大学教授にインタビューするジャーナリスト、演説の原稿を練るVIP、ストを企てる従業員とそれを阻もうとする経営者。そんな中に、あの事件と同姓同名の男、ガウリロ・プリンツィプが現れる…。

 「ヨーロッパはサラエヴォで死んだ」というセリフが出てくる。オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子が暗殺され、オーストリアがセルビアに宣戦布告したことを契機にヨーロッパは二分、第一次世界大戦が始まった。それから100年、ヨーロッパは変わったのか。映画の中でインタビューされた大学教授が延々とその歴史を語る。驚くべきことに、ヨーロッパは少しも変わってはいないのである。

 プリンツィプは演説会場に向かうVIPに銃を向けるが、ホテル従業員によって射殺される。これは何を意味するのか。偶然にも「暗殺」は未遂に終わったが、これはいつ既遂に変わるかもしれない。そうなれば、薄皮一枚下のヨーロッパの混乱が再発しても不思議はないのである。そんな皮肉が込められた一編である。監督、脚本はボスニア・ヘルツェゴビナ出身、「鉄くず拾いの物語」で注目されたダニス・タノヴィッチ。

 

サラエヴォ.jpg

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