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強まる翼賛体質~加計学園問題を考える [社会時評]

強まる翼賛体質~加計学園問題を考える

 

◆再リーク恐れた政権

A)加計学園問題が大詰め局面に入った。6月16日には、半日だけにせよ安倍晋三政権は参院予算委を開かざるを得なかった。

B)その前に、民進党が国会で提示した文科省の内部文書が、全部ではないが存在が確認された。これを受けて内閣府も内部調査を行い、結果を発表した。内閣府の方はたった半日の調査だ。

C)当初から予想されたことだが、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」といったことを文科省調査で追認せざるを得なくなり、それらを全面否定するための調査が内閣府側で必要になったということ。文科省と内閣府で明らかになった事実を突き合わせ、どこに真実があるかといった姿勢には程遠い。「両者の調査が必要だ」という世論を逆手に取った。

A)文科省調査ではこれまで明らかにされてこなかった文書まで公表された。「広域的に」「限り」など獣医学部新設要件を厳しくしたことを手書きで示したメモ(PDFファイル)が内閣府から文科省あてに送られ「指示は藤原(豊・内閣府)審議官曰く、官邸の萩生田(光一・官房)副長官からあったようです」と付記してあった。

B)なぜ、これまで出ていなかった文書まで公表したのか。

A)文科省では既に、加計学園問題での政権の対応に不信感を持つ複数の職員が情報をリークしている。再調査をせざるを得なくなったのもそのためだ。これほど重大な内容のメールをほおかぶりしてもいずれ外部に漏れるという危機感が松野博一・文科相らにあったためだろう。もっとも、再調査を決めたのは官邸だが。

C)政権としては、この手書きメモとメールはつぶすしかなかった。政権の生命線にかかわる。萩生田副長官は「いっさい知らぬ存ぜぬ」で押し通し、国家戦略特区の所管大臣である山本幸三・地方創生相が「自分が指示した」とした。山本担当相・藤原審議官で文科省に指示が行ったのなら正規のルートだ。そうするとメールの発信者は虚偽を言ったことになる。

 

◆官僚をスパイ扱い

A)だから山本地方創生相は、予算委でもひどい答弁をした。メールを発信した課長補佐は文科省からの出向者で「陰で隠れて本省にご注進した、というようなメール」と切り捨てた。まるでスパイ扱いだ。

B)参院予算委で福山哲郎議員も怒っていたが、安倍政権は都合が悪くなると官僚を切る。森友学園問題で、首相夫人付として注目された谷査恵子さんは今夏からイタリア勤務だそうだ。左遷か栄転かは微妙で、ありえないポストではないというが「口封じ」の意味合いは否定できない。国内にいてメディアに取材されることを警戒したのだろう。

C)松本清張の社会派ミステリー以来、政権の闇の部分をかぶらされるのはいつも課長補佐。今回の森友、加計とも同じ構図だ。

A)週刊文春(6.22号)が報じているが、文科省の「総理のご意向」文書を書いたとされる課長補佐が官邸の標的になる可能性がある。

 

◆「産業革命遺産」になぜ松下村塾?

C)週刊朝日(6.23号)では前川喜平・前文科事務次官がいくつかの疑惑に触れている。その中に「明治日本の産業革命遺産」指定の経緯に関して問題があったと語っている。

B)変な「世界遺産」だった。吉田松陰の松下村塾が指定された。なんで?という感じだ。吉田松陰の獄中記「幽囚録」を読むと、北は満州、朝鮮半島、南は台湾、フィリピンを攻めて手に入れよ、と書いている。松陰はアジア侵略思想の先駆者だった。松下村塾の塾生らが明治維新をなし、その後、松陰の精神が近代日本で具現化された。「明治日本の産業革命遺産」指定にアジア各国が反発したが、当然の成り行きだった。

C)明治維新後、スローガンとして「富国強兵」が言われたが、「富国」のための「強兵」か「強兵」のための「富国」かという議論がある。松陰もだが、この議論の延長上に西郷隆盛らもいる。上野の森で子犬を連れているイメージがあるが、西郷にもアジア侵略主義者の側面がある。

A)「世界遺産」の闇も、追及しても真相はつかめないだろう。結局は官僚の忖度で片づけられるのではないか。最悪の場合は官僚が切られる。犠牲者は課長補佐だろう。

B)安倍政権の沖縄に対する居丈高な態度も、松陰に心酔するあまりの偏狭なアジア観に根差しているのかもしれない。

 

◆「お友達」による権力ごり押し

C)内閣府の有識者研究会によると、アベノミクスによる好景気は戦後3番目の長さだそうだ。8月まで好景気が続くと戦後2番目になるという。2、3日前にNHKが報じていた。そんな実感は国民にはない。

A)また内閣府か。有識者メンバーをアベノミクス賛同者ばかりにして、そうした結論を流しているのだろう。どんどん翼賛体質が強まっている。危険な兆候だ。文科省、内閣府調査に第三者さえ入れられない日本の政治体制は、特別検察官によるロシアゲート捜査を行っているアメリカの体制に遠く及ばない。

B)翼賛体制もだが、疑惑はいつも「お友達」による権力ごり押しによって生じている。そういう意味では安倍マフィア体質といっていい。

C)政治の質が低下している。それに比例して国民の頭上には暗雲が垂れ込めている。


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