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単純が生む面白さ~映画「ノー・エスケープ 自由への国境」 [映画時評]

単純が生む面白さ~
映画「ノー・エスケープ 自由への国境」

 

 トランプ大統領の選挙中の公約に、米国とメキシコ国境に壁を造るというのがあった。まだあきらめていないらしいが、移民排斥の動きは、トランプ大統領だけでなく米国民の感情の底流としてあるのだろう。この映画も、そうした感情を織り込みながら米国・メキシコ国境で起きていることを映像化した。

 といっても、政治的色彩はまったくない。追うものと追われるもの、撃つものと撃たれるもののせめぎ合いを映像化した。スティーブン・スピルバーグ監督の初期作品「激突!」は、ひょんなことで巨大トレーラーにつけ狙われる男の恐怖感を描いたが、それに似た味わいがある。ストーリーは単純明快、余計な説明などない。「ノー・エスケープ」のスタッフは「ゼロ・グラビティ」と同じというだけに(監督はアルフォンソ・キュアロンの息子ホナス・キュアロン)、作品のコンセプトは共通している。絶体絶命の環境の中でどう生きのびるか、それだけを追った。

 米国へ不法移民を試みるモイセス(ガエル・ガルシア・ベルナル)らメキシコ人16人を乗せたおんぼろトラックが行く。ところが砂漠のど真ん中でエンスト、ブローカー2人とともに歩いて横断する羽目に。そこへウサギ狩りに興じるサム(ジェフリー・ディー・モーガン)が出くわす。国境を越えて入り込むメキシコ人たちを快く思わないサムはライフルで次々と狙撃していく。そして「ここは俺の国だ。邪魔はさせん」と叫ぶ。

 ただそれだけのストーリーだが、単純なだけに緊迫感は嫌がおうにも盛り上がる。「ゼロ・グラビティ」は宇宙空間が人間の生存を阻むが、「ノー・エスケープ」では砂漠が人間の生存を阻む。灼熱の太陽、水も食べ物も武器もなく、サボテンの下にはガラガラヘビ。追ってくるのはライフルと獰猛な猟犬。さあ、どうする…。

 

ノーエスケープ.jpg

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