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シンプルで凄みある展開~映画「ウィンド・リバー」 [映画時評]

シンプルで凄みある展開~映画「ウィンド・リバー」

 

 米中西部ワイオミング州のウィンド・リバー。酷寒の雪原で、女性の異様な死体が見つかった。薄着で靴も手袋もなく、血を吐いて倒れていた。発見者は米野生生物局のハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)。この地はネイティブ・アメリカンの保留地だった。街はなく、山岳地帯にトレーラーハウスが点在するだけだった。

 やがてFBIの女性捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)がやってくる。死体の状況から殺人とは断定しがたく、応援を頼めないため彼女はコリーに捜査協力を依頼する。コリーもかつて、娘が失踪、そのまま迷宮入りした過去を持つ。事件が他人事とは思えなかった。

 ここからコリー、ジェーン、部族警察長の三者による事件解明が進められる。死体には暴行された跡があり、死亡推定時刻には男と会っていたことも判明する。男の住んでいたトレーラーハウスから伸びたスノーモビルの跡を追うと、変わり果てた男の死体が見つかった。事件当夜、このトレーラーハウスで何があったのか…。

 正直言って、事件のなぞ解き自体はそれほど複雑ではない。したがって、これ以上ストーリーを追うと、興ざめすることこの上ない。

 それよりも、事件の背景にネイティブ・アメリカンの保留地を置いたことの意味が大きい。彼らは好んでこの地に来たわけでなく、強制的に移住させられた。十分な居住環境もなく、夜間にはマイナス30度になるという山岳地帯にトレーラーハウスを置いて住んでいる。そうした地で、事件は起きた。過酷な自然と人間の暴力が対をなす、シンプルで骨太の映画である。2017年、米国。

ウィンドリバー.jpg


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